こうして、はじめはピアノ教室として始めた教室に、生徒さんとそして保護者の方がやってくるようになりました。
そこで、まず聞かれることは、
「どちらの音大を先生はでられたのでしょうか?」
でした。
どこの音大もでていない私は、正直に
音大は出ていないこと・自分の師匠に一人でも教えないとこれ以上の上達はないと言われたこと等をお話して、最後に、私の演奏で習うかどうかご判断くださいと言って、
ピアノを演奏して決めてもらっていました。
ただ、やはりいつまでもこれではなぁ・・、保護者の皆様に安心していただく方法はないかなぁと考え、師匠に相談したところ、イギリスのABRSM検定(国際的には大変有名な音楽検定)を受験してみたらどうだろうか?とのこと。
素直な私は、はい!と答えて、理論グレード5を取得したのち、ピアノグレード8(最上級グレード)を受験したのでした。
この頃、息子が生まれて子育て真っ最中のなか、よく頑張ったなと思います。
福岡まで受験しにいかねばならず、片道4時間かけて受験に出かけました。
受験当日、片耳がほとんど聞こえなくなっていて、右肩も悪くしており注射しながらなんとかグレード8の受験をしたのでした。
試験官はイギリス人の男性でした。
ディスカッションの時間では、試験官が弾いた曲のスタイルを答えて討議していくというもの。
この時に、不良してて良かったなとこれほど感じたことはなかったのですが、試験官はおもむろにジャズのスタイルの曲を弾き始めたのです。
そして、これは何のスタイルだと思いますか?そのスタイルだと思ったのはなぜですか?では、あなたの好きなジャズピアニストは?という感じで質問されます。
答えられましたよ。クラシックだけしかしてない良い子ちゃんじゃなく、私不良でしたからね(笑)。
ただ、満身創痍状態で(無理しすぎ)受験に臨んだため、きっと落ちただろうな・・・とおもっていたのですが、合格してました。よかった。
このABRSM検定を通して、世界では色んなスタイルの曲をピアノで弾いているし、習っている、だから私も、幅広く様々なスタイルを教えることができ、弾ける先生になろうと決意したことを覚えています。
ただ、このABRSM検定は、九州ではほとんど知られていなくって、保護者の方も??ってなってました。
それで、当時私は二人の先生についていたのですが、もう一人の先生に相談したところ、それなら私も持っているカワイ指導グレードをとったら?と提案してくれました。
そして、早速カワイ指導グレードのライセンスを取得したのでした。
こうして、こどもたちを教えていくなかで、導入期の大切さを痛感し、リトミックの勉強も子育てと両立しながら4年間でディプロマBまで取得し、楽しくみにつく音楽教室へと変貌していったので、名前も今のSachie Music Lab.へと屋号を変更したのでした。
教える中で、実は大学時代に教職のためにとっていた、教育学の授業や心理学の授業、特に仮説実験授業の方法が、教える科目は違えども応用して使っている自分がいます。あと、理学部時代にこれでもかと習得した「?」の技、これは、私が今教室を主宰するにあたって、私の根元を支えている力だと考えています。