こうして、療養のため福岡にある実家へと戻ってきた私。
この頃、星占いの誕生日ブックというのが売っていて、何となく気になって自分の誕生日のものを購入したんですね。
そしたら、
「面白いことに足に故障のある時は人生の選択が間違っているという警告です。」
という言葉が書かれていて。
実はこの頃、退院しても半年以上左足が原因不明でうまく動かず、びっこをひいてやっと歩いていたんですよね。
そうそう、最近読んだ「キャリーマリス博士の奇想天外な人生」という本のなかで、『私が生化学者になったのは星占いによる』ってことが書いてあって、あら、私と一緒じゃないか!と。
・・話は戻りますが、それで思い切って人生の選択を変えてみることに。
音楽をやはりしていきたい。プレイヤーになろうと。
勿論、家族は大反対です。不安定だし、音楽ではご飯食べられないぞ!と。
確かにその通り。
でも、人生の選択を「音楽」に変更してから、みるみると足も動くようになるし、元気になっていったのでした。
そして、ついに週に3日のアルバイトができるまでに回復しました。そこから、レッスン料を捻出して、福岡のピアニストの先生の元へレッスンに通うようになったのでした。
このピアニストの先生からは、クラシックからポップス~ジャズの要素まで幅広く教えていただきました。
入会金が、ベートーベンのピアノソナタ全集で返ってくるというのにもビックリした良い思い出です。
課題もたくさん出ますし、あまり練習していっていない日など、音を聞いて、
「しばらく練習しておいて」
と部屋を出ていかれることもあって、大変厳しくも身になるレッスンでした。
このピアニストの先生のように、別の仕事しながらでも休日にレストランなどでピアノを演奏する仕事ができるようになりたい、というのが当時の私のひそやかな目標でした。
ところが、ある日、先生から
「これ以上上手にもしなりたいのなら、まずは一人でもいいから生徒さんをとること。
音楽家の成長は、学ぶ・教える・演奏するの3つを回していくことで成長していくんだ。なので、これ以上上達したいなら、生徒さんをとって教えること。」
と言われたのです。
素直な私は、(これ以上上達するためには、そうかぁ、教えることが大事なんだな。)
と思い、教える準備を始めました。
ちょうど、結婚が決まろうとしていたこともあり、結婚した新居にてピアノ教室を始めることになりました。
これが、私がピアノの先生として教え始めたきっかけです。
こんな経歴で、誰も習いにこないよなーとか、思うこともあったのですが、有難いことにオープン前から「あなたに教えてほしい」という方が現れ(ありがたや!)、私の先生としての試行錯誤が始まったのでした。